いじめ対策ガイド

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いじめと人間関係

 いじめというものが、立場の強い側から、弱い立場へ行われるものだという事はすでにお話ししました。ですが、立場が弱い事、イコール、いじめのターゲットになってしまった人が、いじめを行なう側からみて、自分より劣っているからという認識が理由になるわけではありません。

 欠点を持った人がいじめの対象になりやすいと考える人もいますが、もちろん欠点のない人はいません。そもそも集団でひとりをいじめても罪悪感を抱かない心、というのは人として大きな欠点です。ですから、「欠点」は大した問題ではないのです。例えば大人しい優等生など、明らかに優れた美点を持っている人も、そうした対象となることがあります。絵が上手い人、楽器が上手な人、目立つ優れた長所を持つ人は大勢います。嫉妬やねたみ・そねみが、個人から個人に向けられている間は単なる逆恨みですが、多くの人からねたまれる存在であればそれはいじめる側にとって、いじめる理由になってしまいます。ですから欠点、優れた美点だけでなく、個性的であるという事も攻撃対象になります。

 人間関係には上下が存在します。もちろん「いじめ」には、どんなに似通ったケースであってもここの事情や原因があります。ですがある程度分類できるというのも確か。集団生活を行なう子供、子供を取り巻く人間関係、職場での人間関係などはある程度パターン化しているからです。いじめの問題は、今の「大人」のなかにも、自分さえ良ければそれでいいと考えている人達が多くなっているため、子供達だけを見ていても解決策は見えてきません。大人が、いじめられても仕方のない子供」という態度をとれば、小さい子供は簡単に、「いじめても怒られない子供」というターゲットを見つけることができます。大人たちのご近所付き合いひとつとってみても、地域の中でのいじめは存在しています。その中で必ず存在するのは、他人同士が集まる集団が形成されているということなのです。人間は本心では自分が集団のなかで抜きんでていたいもの。ですが集団という存在は、平均的な存在でなければ簡単に爪弾くようにできているのです。こうした人間関係、集団の持つ矛盾も、いじめのひとつの原因なのではないでしょうか。


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